恋人関係や夫婦関係において、相手に浮気をされてしまった時、1回目だから…と許してしまうケースもあります。では、1回目の浮気を許すと何が起きるのか、1回目だけは許した方がいいのかすぐに別れた方がいいのか、統計調査をもとに解説します。
浮気の発生率と心理的背景
まず、人間はどのくらいの割合で浮気をするものなのでしょうか。
浮気に関する調査はいくつか行われていますが、例えば2011年にモントリオール大学が平均年齢23歳の学生145人を対象に、浮気経験や意向についてアンケート調査を行いました。
その結果
- 41%の人が「浮気をしたことがある」と回答
- 68%の人が「浮気をしてみたい」と回答
自己申告のアンケート調査でさえ、これだけの人数が浮気をしたことがある/してみたいと回答しています。
さらに、別の研究では平均年齢27歳の大人270人を対象に同様の調査を行った結果では
- 39%の人が「浮気をしたことがある」
- 54%の人が「浮気をしてみたい」
と回答しています。
一般に、こういった自己申告の調査では浮気率は低めに出る傾向があります。万一浮気肯定派だと漏れれば自分に不利ですから、ある程度知能の高い人であれば「浮気なんて考えたこともない」と回答するものです。
そんな自己申告アンケートでさえ、かなり多くの人が浮気をしたことがある/してみたい、と回答しているのが現実です。
1度でも浮気をする人は浮気を繰り返すのか
1995年にフローニンゲン大学が行った15年にわたる追跡調査によると、以下の3つの条件が揃うと、浮気をする確率が73%の制度で予想できることが示されました。
- 浮気に対する考え方が寛容
- 過去に浮気をしたことがある
- 周囲に浮気経験者が多い
1. 先ほどのアンケート結果から、そもそも多くの人は①を満たしている可能性が高いです。
2. さらに、1度でも浮気をしていると②の条件までもを満たしてしまいます。この条件は単体でも浮気を以降の浮気の可能性が上がることが別の研究で明らかになっています。
3. 残るは③の条件ですが、そもそも周囲に浮気経験者が多いと、本人も浮気をする確率が上がることが別の調査でわかっています。浮気をする人とつるんでいるから浮気をした場合も、あなたのパートナーが浮気をするから周囲まで浮気するようになってしまった場合も、どちらも考えられます。
つまり実質的には②の条件を満たすだけでもかなり浮気リスクが跳ね上がると考えられます。
1度目の浮気を許すのであれば、2回目、3回目もあることは覚悟しておきましょう。あなたが「この人だけは違う…!」と思いたくても、統計的にリスクが高いですし、そもそもあなたが信じようとしているその人は一度裏切った人間です。
その人が浮気をする人だ、という前提でもなお、あなたが付き合いを続けたい場合のみ関係を継続しましょう。自分が浮気に寛容であるとか、浮気をすることを差し引いてもその相手にメリットがある、という合理的な考えで割り切れる場合です。
浮気する人の特徴と将来的なリスク
浮気をする人には共通点があり、それは「仕事や社会生活でも不正を犯しやすい」ということです。2019年にテキサス大学とエモリー大学による分析結果では、不倫をした人はそうでない人に比べて、仕事での不正行為を行う確率が2倍も高いという結果が得られています。
具体的には、社会的地位の高い職業(例えば経営者や金融アドバイザー、警察官)で不倫をしている人たちが、職業倫理を侵す行為をしている可能性が高いことが判明しました。これらの事実からも、浮気をする人との長期的な関係には注意が必要です。
浮気をどう捉え、どう対処するか
浮気や不倫の発生率は決して低くありません。そのため、浮気をどう捉え、どう対処するかは、個々人やカップルの価値観に委ねられます。ただし、一度浮気をした人が再び浮気をする確率が高いというデータは無視できません。
パートナーと長期的な関係を築くためには、浮気のリスクや傾向を科学的に理解し、自分自身の価値観や許容範囲を明確にしておくことが重要です。
特に「どこからが浮気なのか」という線引きは、付き合いたてのまだ関係が良好な時期によく話し合っておいた方がよいでしょう。これは人によってかなりバラつきがあり、「異性と2人でご飯に行くだけで浮気だ」という人もいれば、「最後まで関係が進んでいても相手の一番が自分でありさえすればいい」という人まで、本当に幅広いです。