恋愛において好感度をアップし、相手との距離を縮めるためには、ただ「好意」を示すだけではなく、心理学のテクニックをうまく活用することも効果的です。今回は、心理テクニックの「ドア・イン・ザ・フェイス」を恋愛に取り入れる方法をご紹介します。
「ドア・イン・ザ・フェイス」とは
「ドア・イン・ザ・フェイス」は、心理学者のロバート・チャルディーニによって体系化された交渉テクニックの一つです。「最初にあえて大きな要求を提示して相手に断らせる → 続いて小さな(本命の)要求を提示する」ことで、後から示した要求を通りやすくするという方法です。
英語の慣用句「shut the door in the face(門前払い)」が由来で、訪問販売の営業員が、断られることを前提にドアの隙間から顔を覗かせるという行動に由来しています
例:募金活動の場合
- 大きな要求:「1万円の募金をお願いできますか?」
- 小さな要求:「では、せめて500円だけでもお願いできませんか?」
相手は最初の「1万円募金」は断わったものの、「500円なら応じやすいかもしれない」と感じ、結果的に募金に応じてしまう――これが「ドア・イン・ザ・フェイス」の典型的な流れです。
「ドア・イン・ザ・フェイス」が恋愛にどう作用するのか?
一度あえて断られて、本命を受け入れてもらいやすくする
恋愛シーンでは、「お願い」や「誘い」を断られた後に「じゃあ、せめて◯◯だけでもどう?」と提示すると、相手は断った罪悪感や譲歩への返礼心理から、後からの誘いを受け入れやすくなる傾向があります。
例:食事デートの誘い
- 大きな誘い:「今度3泊4日で温泉旅行、二人で行かない?」
- 小さな誘い(本命):「じゃあ、せめて明日ランチだけでも一緒に行かない?」
まだ関係が浅い段階だと、いきなりお泊まりの旅行はハードルが高く、断られるかもしれません。
旅行のような大きな提案を断った相手は、軽いランチ程度なら「それぐらいならOKかも」と感じやすいというわけです。
負い目や罪悪感に働きかける
人は一度断った後、相手から再び譲歩されたり、より小さなお願いを提示されると、「ここでまた断るのは悪いな」と無意識のうちに感じます。
恋愛シーンでは、ちょっとわがままな提案を最初にして相手に断ってもらい、その後で「じゃあ、もう少しだけ一緒にいてくれないかな?」というような小さいお願いをすれば、相手の罪悪感を刺激し、最終的にOKをもらえる可能性が高くなるのです。
必要以上にしつこくしない
注意点として、「ドア・イン・ザ・フェイス」は使い方を誤るとしつこい印象を与えてしまう可能性があります。
大きい要求を断られたら、「無理だよね、でももしそれが難しかったら、せめて◯◯しない?」と、あくまで軽い提案に留めるのが大事です。「あれもこれも」としつこく迫ると、逆効果になりかねません。
小さい要求に成功したら感謝を伝える
小さな誘いに応じてくれたら、必ずしっかり感謝を伝えるのが鉄則です。「無理を言ってごめんね。でも会えて嬉しい!」など、相手に「喜ばれている」「役に立てた」と思ってもらうことで、好感度をさらに高めることができます。
注意点とアドバイス
相手の負担を考える
あまりに突飛な提案だと「常識がない人」と思われる恐れがあります。相手の生活リズムや好み・価値観も考慮しながら、少し高めの要求を設定することが理想です。
真摯な姿勢を見せる
「ただのテクニックで騙してるんでしょ?」と思われないように、要求の根拠や、自分がどれだけ相手と一緒の時間を大切にしたいかをきちんと誠意を持って伝えると安心されます。
相手の反応をよく見る
最初の要求を出した時点で相手が不快感を示していたり、明らかに迷惑そうにしていた場合は、別のアプローチに切り替える勇気も必要です。テクニックに固執しすぎると、本来のコミュニケーションが台無しになりかねません。
まとめ
- ドア・イン・ザ・フェイスとは、あえて大きな要求を出して断らせた後、本命の小さな要求を提示し、成功率を高める心理テクニックです。
- 恋愛でも、まず大きなデートプランを提示 → 断られたらランチやお茶に誘う、といった形で応用できます。
- 相手にしつこい印象を与えないように注意し、成功したら必ず感謝の気持ちを伝えることがポイントです。
恋愛は相手を思いやる気持ちがあってこそ成り立ちますが、適切なテクニックを組み合わせることで距離を縮める近道になる場合もあります。
大事なのは、相手の負担や気持ちを尊重しながら、お互いが笑顔で合意できる形に持っていくこと。「ドア・イン・ザ・フェイス」を上手に活かして、ぜひ楽しく実りある恋愛を手に入れてみてください。