「なぜか相手から“イエス”を引き出せる!」ちょっと不思議な状況が恋愛で起きれば、強力なアプローチができるかもしれません。今回の記事では、そんな印象的な場面を作り出せる“ダブルバインド”というコミュニケーション・テクニックについてわかりやすく解説します。
ダブルバインドとは
ダブルバインド(Double Bind) とは、矛盾したメッセージや対立する命令を同時に受けることで、「どちらを選んでも問題が起こる」状態に追い込まれるコミュニケーションの形を指す心理学的な概念です。本来、精神医学や家族療法の領域で、混乱を引き起こすコミュニケーションとして知られました。
しかし、ここで注目したいのは「矛盾した2つのメッセージ」そのものではなく、「複数の選択肢に見えるが、いずれにしても“こちらが望む方向”へ相手が進んでしまう」という“ポジティブ寄り”の使い方です。ある種の“イエスセット”や“二者択一のテクニック”に近い要素も含まれています。
HUNTER×HUNTERで登場した「不自由な二択(二者択一話法)」もこの一種と言えるでしょう。
たとえば、ビジネスの場面では次のような例が有名です。
「来週のミーティングは、火曜と水曜どちらがご都合よろしいですか?」
実は“ミーティングをする”こと自体は確定で、相手が“断る”という選択肢を提示していません。火曜か水曜かを選ぶしかなく、どちらにせよミーティングは決まります。
一方で、純粋なダブルバインドの場合には否定的な要素が強い(「どちらの答えを選んでも苦しい」)のですが、恋愛テクニックとしてのダブルバインドは、もう少し「ソフトに選択肢を縛る」形で活かすケースが多いと言えます。
恋愛での活用方法
1. 「二者択一」の誘い方
ダブルバインドに近い手法として、よくビジネスやセールスで使われる“二者択一のテクニック”を取り入れてみましょう。
- 「今度の週末、ディナーと映画だったらどちらがいい?」
- 映画 or ディナー、いずれにしろ“会う”ことが前提
相手は「どちらがいいか」を考えるため、「行かない」「断る」という選択肢に思考が及びにくい。
ポイントは、「会うか・会わないか」の選択肢を与えず、どの選択肢を相手が選んでも“会う”方向になるように仕組むこと。これが自然に決まると、相手も「断る」タイミングを見失い、デートの合意形成がスムーズになります。
2. 「どちらにしてもプラス」を強調する
もっとポジティブにアレンジするなら、選択肢は“いずれも魅力的なプラン”にしておくと印象が良いでしょう。
たとえば、
- 「海辺のドライブか、ショッピングモール巡り、どっちが好き?」
- 「ハンバーガー食べに行く? それともピザがいい?」
どちらを選んでも相手にとって価値がある選択肢を提示すれば、相手は“選ぶ喜び”を感じながら、こちらの誘いに乗ってくれやすくなります。
結果的に「デートが成功する」「一緒の時間が長くなる」など、恋愛の発展につながるわけです。
3. 絶対NOを選ばせない流れを作る
恋愛でダブルバインドを使う狙いは、相手が「NO」と言う機会をなくすこと。拒否したくても、どちらの選択肢にも“断りにくい”要素を盛り込んでおくと効果的です。
たとえば、
- 「私の家で料理を振る舞うから、買い出しを手伝ってくれる? それとも、あなたが好きなデザートを作るから味見してくれる?」
この提案なら、相手がどちらを選んでも「家に来てくれる」または「一緒に買い物」というデートが成立します。相手は“手料理の味見”や“好きなデザート”に興味を惹かれ、デートそのものを断るという思考に考えが及びづらくなります。
ただし、詐欺まがいにならないよう、あくまでお互いに楽しめる提案を心がけてください。
注意点・リスク
強制感や操作感に注意
- やりすぎると「強引だな…」と引かれてしまう場合も。
- 選択肢を2つ以上提示するにしても、“相手が喜びそうな”ものを選びましょう。
矛盾・混乱を与えすぎない
- 元来のダブルバインドは、受け手に強いストレスを与えるリスクがある概念です。
- ネガティブな矛盾メッセージを送り続けると、相手のメンタルに悪影響を及ぼすこともあるため、あくまで「穏やかな二者択一」レベルに抑えましょう。
誠実さを失わない
- 相手が選択肢を決めた後、「やっぱりそっちはナシね」といった裏切りは避けるべき。
- 誘導してOKをもらったら、きちんとその約束を守り、楽しい時間を共有する姿勢を示しましょう。
まとめ
「好きな相手にもう一歩踏み込んでほしい」「デートのプランを断られがち…」と感じているなら、ダブルバインドの“二者択一戦略”を取り入れてみましょう。
あくまで相手が嬉しくなる要素をセットにし、自然に「一緒に何かをする」行動へ誘導してみると、恋愛の展開が思わぬ方向へ加速するかもしれませんよ。