私たちが日常生活で避けられないのが「嘘」の存在です。人間は誰しも大小さまざまな嘘をつきますが、その中には悪意を持ち、他人を利用しようとする危険な嘘も含まれています。本記事では、心理学の観点から「裏切りを伴う嘘の特徴」について解説します。
人間が噓を吐く頻度
そもそも人間は噓を吐く生き物です。心理学的には、人間は平均して1日に複数回嘘をつくとされています。
- 男性:1日平均6回
- 女性:1日平均3回
噓を吐くことそれ自体は大きな問題ではなく、これらの嘘の多くは相手を傷つけないためのお世辞や小さな誤魔化しであり、社会的な調和を保つために機能しています。しかし、一部の嘘は他人を意図的に傷つけたり、操ったりする目的でつかれるものです。
編集型の嘘
心理学者ジョージ・サイモン博士による2010年の研究では、特定のタイプの嘘が他者を騙そうとしたり、操ろうとする傾向に関連していると指摘されています。それが「編集型の嘘」です。
編集型の嘘とは?
- 全面的な虚偽ではなく、真実の一部を隠す。
- 大切な部分だけをぼかして相手に誤解を与える。
- あえて曖昧な表現で自分の責任を回避する。
例えば、週刊誌の報道で「芸能人が二人きりでデートしている」と書かれていても、実際には複数人で集まっていたなかで二人になった場面を切り抜いて伝えることがあります。このように、部分的な真実と隠蔽を組み合わせることで、意図的に相手を誤解させる手法です。
編集型の嘘を使う人の心理
このような嘘をつく人の多くは、「カバートアグレッション」という行動パターンを持っています。
カバートアグレッションとは?
他人を攻撃したり、操ったりする意図を隠しながら行動すること。
- 自分の責任を回避する
- 相手を不安定にする
- 権力関係を操作する
これらの行動を取る人は、周囲を混乱させ、自分に有利な状況を作り出そうとします。
危険な嘘を見抜くポイント
もし、以下のような行動が見られた場合、その人物との距離を考えるべきです。
- 重要な情報を意図的に隠す
- 「言った」「言わない」の曖昧な主張を繰り返す
- 自分の責任を棚上げし、相手の責任にすり替える
これらの行動は、明確な攻撃意図を持った嘘である可能性が高いです。
危険な人物と距離を取ることの重要性
私たちの性格や人生は、周囲の人間関係によって大きく影響されます。心理学研究でも、人間関係の質が幸福度や成功に直結することが明らかにされています。危険な嘘をつく人と関わることは、自分の生活や精神的な安定に悪影響を及ぼすリスクがあります。
不審な嘘や行動に気づいたら、適切な距離を置く。正面から対決するのではなく、自然に関係をフェードアウトさせる。といった対策を取りましょう。
参考
George K., Jr., Ph.D. Simon (2010) In Sheep’s Clothing: Understanding and Dealing With Manipulative People