恋愛初期の高揚感は、多くのカップルにとって最高の時間です。しかし、その「盛り上がり」が後々の関係に思わぬ影響を与える可能性があるとしたらどうでしょうか?今回は、テキサス大学で行われた興味深い研究をご紹介します。この記事では、カップルが幸せを長続きさせるための具体的なポイントも掘り下げます。
長期研究で明らかになった「恋愛初期の危うさ」
テキサス大学の研究チームは、168組のカップルを13年間にわたり追跡調査しました。この長期研究では、結婚当初のカップルの行動やその後の関係の行方を詳細に記録。その結果、驚くべき傾向が明らかになりました。
調査の中で、付き合い初期や結婚直後に「頻繁にイチャイチャする」カップルは、結婚後7年以内の離婚率が高い傾向にあることが分かりました。反対に、初期のイチャイチャ度が低めで、穏やかな関係を築いたカップルほど、長く幸せな結婚生活を送る確率が高かったのです。
※このイチャイチャというのは性的な関係という意味ではなく、ところかまわずハグやキスをしたり、2人でキャッキャとはしゃぐような好意のことです。
この結果について、研究者たちはこう考察しています。
- 恋愛初期における過剰な親密さが、関係のピークを早々に迎えてしまう。
- 時間が経つにつれて、「最初の熱」が冷めた際に幻滅しやすい。
恋愛初期の盛り上がりとその落とし穴
恋愛初期の感情は、脳内で分泌される「フェニルエチルアミン(PEA)」という物質が大きく関与しています。このホルモンは、恋愛の高揚感や情熱を生み出しますが、効果は一般的に3年程度で薄れると言われています。
心理学や生物学の視点から、「3年の壁」は進化論的な背景があるとされています。
繁殖のタイムリミット説
恋愛初期の強い結びつきは、子孫を残すために進化的にプログラムされたものと考えられます。
生物学的には、繁殖に適した期間を過ぎると絆が薄れるように設計されている可能性があります。
ベースライン幸福説
人間の幸福感には遺伝的な「セットポイント」が存在します。
たとえ恋愛や結婚によって一時的に幸福感が高まったとしても、最終的にはこのセットポイントに戻ることが多いのです。
長続きする関係を築くポイント
長く幸せな関係を築くためには、恋愛初期の熱に依存するのではなく、以下のような取り組みが重要です。
適度な距離感を保つ
初期から関係を急速に深めすぎず、穏やかなペースで相手を知る。
共通の目標を持つ
一緒に新しい趣味やプロジェクトに取り組むことで、絆を深める。
お互いを尊重し補完し合う
精神的な支え合いや、お互いの成長を助ける関係性を築く。
愛は努力で育むもの
恋愛や結婚において、「付き合い始めが楽しければその後も幸せ」という単純な公式は成り立たないことがわかっています。むしろ、初期の過度な期待や依存は関係を脆くする可能性があります。
大切なのは、恋愛初期の高揚感だけに頼らず、長期的にお互いを支え合う関係を築くこと。適度な距離感と共通の努力が、幸せな関係を持続させる鍵と言えるでしょう。