テストステロンは、男性にとって非常に重要なホルモンです。やる気を引き出し、新しい挑戦を後押しするだけでなく、筋肉が付きやすくなったり健康維持にも寄与します。今回は、ある簡単な方法でテストステロンを平均1.7倍に増加させる可能性を示した研究をご紹介します。
テストステロンとカフェインの関係を探る研究
この研究は、イギリス・リーズ大学の研究チームによるもので、ラグビー選手14人を対象に行われました。被験者は以下の2つのグループに分けられました。
- 運動の5分前にカフェインを含むガムを噛むグループ(カフェイン量:200mg)。
- カフェインが含まれていないガムを噛むグループ。
その後、全員が40メートルのスプリントを全力で走り、その際の体内のテストステロンの変化量を測定しました。
実験の結果、40メートルのスプリント速度や認知機能には有意な差が見られなかったものの、カフェインを摂取したグループでは、テストステロンの平均値が1.7倍に増加していました。個人差はあるものの、中には2.5倍に達した被験者もいたとのことです。
さらに注目すべきは、テストステロンが全く増えなかった被験者は一人もいなかったことです。これにより、カフェインが短期間でテストステロンの分泌を促進する可能性が示唆されました。
適切なカフェイン摂取量は?
カフェインは摂取量が重要です。この研究では結局400mgが最適とわかったのですが、別の研究では摂取量が400mgを超えるとストレスホルモンであるコルチゾールが増加し、テストステロンの効果が相殺される可能性が示唆されています。
そのため運動前に摂取するカフェイン量は400mgを最大と考えて、200mg~400mgを摂取するのが良さそうです。
カフェインを含む飲料の選び方
では、200mg~400mgのカフェインを摂取するためには何をどのくらい食べたり飲んだりすればいいのでしょうか。
- 煎茶や緑茶、烏龍茶:100mlあたり20mg程度のカフェインを含むため、1〜2リットルが必要です。
- コーヒー:100mlあたり40〜60mgのカフェインを含むため、6杯程度で目標摂取量に達します。
- エナジードリンク:100mlあたり30〜40mgのカフェインを含みます。1リットルくらい必要なので250ml缶4本分ですね。
- サプリメント:含有量はものによりますが、効率的に必要量を摂取する手段となります。
- 玉露:100mlあたり160mgのカフェインを含むため、2杯程度で目標摂取量に達します。
運動前に飲料を1リットルも2リットルも飲むのは厳しいですよね。エナジードリンクですら日本で売られているものでは缶4本くらい必要なので、金銭的にも非現実的です。
現実的なのはサプリメントか、玉露です。特に玉露にはL-テアニンも多く含まれるため、カフェインとセットで取ることで集中力が増大する効果も期待できます。
まとめ
運動前にカフェインを摂取することで、短期間でもテストステロンを増加させ、やる気や挑戦心を高めることが期待されます。特に、筋トレや高強度の運動前には、カフェインを摂取してテストステロン値を増加させておくと、トレーニング内容が同じでも筋肉が付きやすくなります。
ただし、カフェイン耐性が低い方や、カフェインを摂取することで不安感が強くなる方は控えましょう。