気になるあの人をデートに誘いたい、でもどうやって誘えばいいんだろう。この記事ではそんなあなたに向けて、お誘いの成功率を高める行動心理学のテクニックをご紹介します。
あらゆる交渉に使えるテクニックなので、投資家、経営者、経営層、管理職、バイヤー、営業、消費者など、交渉が発生しうる多くの立場や場面で役に立ちます。
もともとマーケティングやビジネスの世界で使われることが多いテクニックです。
一貫性の原理
今回ご紹介するテクニックのベースとなっているのが「一貫性の原理」と呼ばれる心理学の原則です。
これは人間は無意識に自分の発言や行動、態度、信念などを一貫したいと思う傾向にあり、その結果、自分で選んだもの、決めたことの価値が本人の中で高まっていきます。意固地になる、とも言いますね。
例えば物を買う時にも人間は最初に良いと思ったものを買うことが多く、店に入って一番最初に「これがいい!」と思ったものがあると、「一応他の商品も見てみるか」と店内を1周したとしても、結局は最初に良いと思ったものを買うことが多いことが統計的にもわかっています。
これは一度良いと思ったものの価値が、店内を周って他の商品を見ている間にもどんどん高まってしまっているのだと考えられます。
ローボール・テクニック
今回ご紹介するのはこの一貫性の原理を利用したテクニックです。
「相手が受け入れやすい好条件を提示し、承諾を得た後に、悪条件を付け加えたり、好条件を取り除いたりする」というもので、ローボール・テクニックと呼ばれています。
これは最初は相手が受け取りやすい低いボール(ローボール)を投げて、相手に受け取ってもらってから徐々にボールの高さを引き上げる、というニュアンスで名付けられました。
例えばデートのお誘いではこんな風に使えます。
- あなた:美味しいお店見つけたんだけど、今度お昼一緒に食べに行かない?
- 相手:いいよー行きたい!
- あなた:(後日)ごめん、この日お昼にWeb会議が入っちゃって、食べに行くの夕飯でもいいかな。
最初はお昼からご飯のデートとして誘っていますが、後で夕方からのデートに変更しています。
最初から夕方デートだと警戒心を持たれやすいものですが、一度お昼のデートとしてOKをもらったうえで、夕方デートに変更することで要求を通しやすくするわけですね。
小さなYESを積み重ねる
一貫性の原理を応用したテクニックがもう1つあります。
営業がよく使うテクニックなのですが、人間はある質問についてYESと回答をすると、次の質問にも連続してYESと答えやすくなります。何度も相手の肯定を引き出してから本命のお誘いをすると、要求が通りやすくなるわけですね。
例えばデートのお誘いではこんな風に使えます。
- あなた:甘いものとか好き?
- 相手:好きー!
- あなた:俺も好き!何が好き?ケーキとか?
- 相手:ケーキめっちゃ好き!
- あなた:あ、じゃあさ!最近近くにオープンしたケーキ屋さんがすごく美味しいんだけど、今度一緒に行こうよ!
- 行くー!
このように相手がYESと答えやすい質問を積み重ねて、その流れでデートに誘っちゃおう!というものですね。
こういう流れを作ってあげると、自分自身が納得して決めた、と感じているため、強引に誘われた、断りにくい、という印象は持たれづらく、話していたら自然とデートする流れになっていた、という気持ちになりやすいです。