今やプライベートな関係ではLINEをはじめとしたチャットアプリでのコミュニケーションが欠かせません。今回は心理学の研究を応用した、相手の好感度を高めるためのメッセージの送り方をご紹介します。
感謝軽視バイアス
私たちは日ごろ感謝をしても、相手にその気持ちを伝えることはそれほど多くありません。実は相手に感謝の気持ちを伝えることは大きな効果があることがわかっているのですが、私たちはついつい口に出してそれを伝えることを怠ってしまいます。
心理学ではこのように、感謝の気持ちを伝えることの効果を過少に見積もってしまうことを「感謝軽視バイアス」と呼びます。
2018年にシカゴ大学が行った研究では、手紙で感謝を伝える効果について調査が行われました。手紙での実験ではありますが、これはLINEや他のチャットアプリでも同様の効果が見込めるのではないか、と考えらえます。
多くの人は、感謝の言葉を送ることで「重い」「わざとらしい」と思われるのではないかと不安に感じがちです。しかし、実際には感謝を受け取った人たちは、驚きと喜びを感じ、それが送った側の予想をはるかに超える結果となることがわかっています。
感謝を伝えることで相手はどう感じるのか
送り手の予想と受け手の反応のギャップ
研究参加者の多くは、自分が送った感謝の手紙は「そこそこポジティブに受け取られるだろう」と予想しました。しかし、実際には受け手は想像以上に強い感動や喜びを感じました。
「重い」「面倒くさい」という反応は皆無
送る側が恐れる「重い」「わざとらしい」といったネガティブな反応は一切見られませんでした。むしろ、感謝を伝えられたことで相手の印象が大きく良くなりました。
方法や文章力は関係ない
感謝の方法(手紙、LINE、メール、直接の言葉など)や文章の上手さには関係なく、感謝の意図と真心が伝われば効果は変わりませんでした。
感謝メッセージの注意点
感情を込めた具体的な感謝を伝える
- 「あなたの言葉で考え方が変わりました」
- 「○○のおかげで助かりました」
など、具体的なエピソードを含めることで、感謝の言葉が相手に伝わりやすくなります。
純粋な感謝に留める
- 「感謝しているから会ってほしい」
- 「お礼がしたいから時間を作ってほしい」
など、付随的な要求は避けましょう。感謝そのものを純粋に伝えることが大切です。
相手との関係性を考慮
面識のない有名人やタレントに感謝を送る場合、効果は保証されません。日常的に接点がある人に対して送る方が良い結果が見込めます。
実生活での活用法
感謝のメッセージは、相手との関係を深めるための強力なツールです。例えば以下のような場面で活用できます。
友人や家族に日頃の感謝を伝える
「いつも支えてくれてありがとう」という短いメッセージでも、相手にポジティブな印象を与えます。
仕事上の感謝を表現する
「あのプロジェクトでのあなたの助言がとても役立ちました」といった言葉は、良好な職場関係を築く助けになります。
恋愛や友人関係のきっかけづくり
「あなたのおかげで○○を楽しめました」と伝えることで、自然な形で関係を深めることが可能です。
まとめ
感謝を伝えることは、心理学的にも非常に効果的なコミュニケーション手段です。「感謝軽視バイアス」にとらわれず、積極的に感謝を伝えることで、人間関係を大きく前進させることができます。
感謝は、最もコストパフォーマンスの高いコミュニケーション方法です。ぜひ、今日から感謝のメッセージを活用してみてください!