「イケメン/美女は3日で飽きる」という俗説がありますが、果たして本当なのでしょうか。今回は外見的魅力が恋愛に与える影響について調べたアメリカの実験をご紹介します。
外見的魅力が恋愛に与える影響
アメリカの社会心理学者ユージーン・マテスは「何度もデートを重ねるうちに外見より性格が大事になるのではないか」という仮説を立てて実験を行いました。いわゆる「イケメン/美女は3日で飽きる」という俗説が本当かどうか実験によって確かめたわけです。
実験内容は
- 複数の男女のペアになってもらう
- 週1回40分のデートを5回行ってもらう
- 1回ごとに相手の好感度を9点満点で評価
- ここまでを男女の組み合わせを変えて繰り返す
というものです。
1回目のデートでは
- 外見的魅力度が高い男性:6.38点
- そうでない男性:6.34点
と僅差なっていますが、2回3回と繰り返すうちに
- 外見的魅力度が高い男性:6.69点
- そうでない男性:6.04点
- 外見的魅力度が高い男性:6.75点
- そうでない男性:5.88点
と、外見的魅力度が高い男性はどんどん評価が上がっていく一方で、そうでない男性の評価はむしろ下がっていきました。
4回目5回目と続けても、外見的魅力度が高い男性の方がそうでない男性よりも高い評価を得たという結果が出ています。これは男女逆でも同様の傾向がみられました。
イケメン/美女は3日で飽きるは本当?
実験結果からは、「イケメン/美女は3日で飽きる」どころか、むしろ「イケメン/美女は何度も会ううちに魅力度が増していき、そうでない異性は会うたびに魅力が下がっていく」という身も蓋もない結論が得られました。
ブサメン/ブスでも中身が良ければ…というのは真っ赤なウソだったことが白日の下にさらされてしまったわけです。
そう考えると令和のルッキズム全盛は実は合理的だったようです。下手に内面を磨くよりも、時間もお金も外見に全振りした方が、こと恋愛においては明確に有利なことが裏付けられてしまいました。
また、別の研究でもイケメン/美女ほど生涯年収が高い、イケメン/美女ほど社会的地位が高い、という事実もわかってしまっています。心理学的にもハロー効果といって、イケメン/美女ほど仕事ができそう、というイメージを与えてしまうこともわかっています。
生き残るにはイケメン/美女になるしかない
正直この記事を書きながら今までの考えを少し反省しています。私も整形はあまり良く思っていませんでしたし、若い男女が無理をして大金を作って美容外科に通うのは非合理だと思っていたクチだからです。
このサイトでは現状心理学のお話が多いですが、私は恋愛や社会的な成功を生物学や文化人類学の観点からも調査していて、遺伝子や生まれ育った環境という、本人が選びようのない要素が人生の大部分を左右してしまう事実が各方面から裏付けられてしまうのを、嫌というほど目の当たりにしてきました。
服装、髪型、化粧、そして整形は、私たちが生まれつき定められた遺伝子や生育環境という、悪質な運命による不利を補いうる数少ない手段です。そして令和の今、美容技術の飛躍的な進歩によって、私たちが遺伝子に立ち向かう手段は日に日に増えています。
生まれながらの不幸を知識と技術により覆す、というのはまさに人類が技術を探求する本質です。私も平成の古い価値観を捨て、現実を直視する時がきたようです。